うれい's ろぐ ~うれろぐ~

日々是成長。頑張って生きたい。

秋の夜長と一冊の本

風の冷たさが秋の訪れを感じさせる時期になりました。
そんな秋の夜長にピッタリの一冊を紹介したいと思います。

さて、今回紹介させていただくのは『夜が運ばれてくるまでに』(時雨沢恵一 メディアワークス文庫)です。絵は黒星紅白先生が担当しています。

さて、お気付きの通りこの本はキノの旅でおなじみの時雨沢・黒星コンビが送る詩集です。「◯◯が運ばれてくるまでに」というタイトルでシリーズ化しており、今作はその2作目にあたります。今作では"心が動く掌編"25篇が収録されております。

この本のおすすめポイントなんですが、まず単純に本が薄く読みやすいんです。普通小説や新書となると200ページ位に文字がぎっしりと書いてあるものを想像しがちです。しかしこの本は文字が少ないので文字に慣れていない方にもおすすめです。更に1篇はあまり長くないので、すっと読み切る事ができます。

さらにこの本には非常に示唆に富む詩が多く含まれています。「"心が動く"」というテーマのもと書かれた25の詩は短いながらどの詩も物事の核心、あるいは言われれば確かにと思うような事実が多く含まれており、それが時雨沢先生の繊細な言葉とともに私たちに届けられます。

そして最後に絵が綺麗で読んでいて飽きません。時雨沢先生の世界観を黒星先生がきれいな絵で表現しています。キノの旅とは異なり水彩画のようなふわふわ感が特徴的です。

タイトルに夜という単語がある通り、静かな夜にひっそりと読みたい本です。
ぜひ手にとって、読んでみてください。

今週のお題「読書の秋」