うれい's ろぐ ~うれろぐ~

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【読書メモ】「人工知能と経済の未来」

こんにちは、うれいです。新しく本を読んだので思ったことなどをつらつらとまとめていきたいと思います。今回読んだのは井上智洋著「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」です。 

現在急速に進むAI(人工知能)の研究。汎用AIの発達と普及により、人口の大部分は職を失うと言われています。この本ではそうなった場合の失業者の保護や経済発展の展望について論じています。筆者は失業者の保護、消費の促進のためにベーシックインカム(BI)の採用を勧めています。

本書は大きく分けて①これからのAI研究と発展の展望 ②AI普及による技術的失業者の保護としてのBIの導入の検証 にわけられます。文章として①が大部分を占めていますがもう少し②を詳しく書いたほうがよかったという印象を持ちました。分量がたりないせいか、BI導入の根拠などが不鮮明、というか甘い感じがします。

BIは各個人に一律に現金を与えるシステムです。失業による所得不足、資本家労働者間の所得格差拡大を防ぐためにこのシステムを導入するのはかなり有効ではないかと思います。しかし一方でBI導入以前から存在する所有する富の差は埋まらないので貧困問題の解決までは至らないと考えます。経済成長を維持するためにまず考えることは消費活動が活発な中間層を厚くすることです。BIの導入で中間層が維持できるかは曖昧な感じがしました。

AIの発達で人間が労働から解放されやりたいことができる社会が訪れるかもしれません。そのような社会においてバタイユのいう至高性の概念が重要になるというのは賛同できました。今の人々に不足しがちな余暇時間を未来の利潤獲得のためではなく現在の時間を楽しむために使うという考え。コレがAIの普及で一般的なものになればいいと思います。

あと、個人的にはクーポン型社会主義について興味深いと思いました。よく調べてみたいです。

おわり